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【新コーナー】2025年こそ登壇・プレゼンが上手になりたい弁護士・法務の方へ (1)丨弁護士ドットコム様『法務・企業内弁護士特化―キャリアアップセミナー』基調講演を題材にして

1. 新規登壇コーナーの狙い

2024年までは、登壇・講演の機会があった場合、主に「◯◯にてお話をさせていただく機会がございました(お礼)」という形で、記事を執筆しておりました。

2025年から、形を変えて、皆様にもっと貢献したいと考えています。具体的には、私が、当該新規登壇に際して『最高のアドバイス(法律に限らない。)を提供し、多くの種を蒔き育て、心から喜んでもらう』という自分のミッションを実現するために、どのような創意工夫や準備をしたのかという、講演・登壇に至るまでの「裏側」をご紹介いたします(なお、2025年は多忙を極めているため、2ヶ月に1回程度にセーブしており、不定期連載となります)。

Problem Statement (問題の所在) 講演や登壇を通じて「聴衆の方に貢献したい」と考える弁護士・法務部員の方の中には「どうやったら講演に呼んでもらえるのだろう?」「何を話せばいいのだろう?」とお悩みの方も多いと思います。また、弁護士会・研究会・会社などの組織にとって―「次の研修会のテーマはどうしよう?」「講師を誰にお願いしよう?」―というお悩みも「あるある」です。

ソリューション そこで、私が講演・登壇の機会があった場合には、謹んで、共有させていただきます。内容は準備のお話を通じて、皆様のSpeaking Oppotunityやプレゼンテーションの準備に関する役に立てば嬉しいです。

想定する読者 法務部門の方(とりわけ組織内弁護士・インハウス弁護士)、外部弁護士の方、企業や団体で講演機会のある大学の先生

問題の所在・ソリューション・想定読者は上記のとおりとなります。

2. 今回の「お持ち帰りいただけること」(創意工夫)とは?

弁護士ドットコム様『法務・企業内弁護士特化―キャリアアップセミナー』基調講演
https://event.bengo4.com/20250222/

依頼を受けたら、主催者様から、当該セミナーの「ゴール・目標」を徹底的にヒアリングする。

その上で、複数の協賛企業様の『サービス紹介』が主眼となるセミナーの場合登壇講師・弁護士が(お客様気分で)「自分が話したいこと」を話すのは、私は「平均点」と感じている

私は、協賛企業様のリストを眺め、②複数の『サービス紹介』に1本の糸を通すような「セミナー申込を誘引できる魅力的なテーマ設定」して、③講演中も、自分が話している「総論」に夢中になるのではなく、1塁走者を2塁に進塁させるための「送りバント」をする気持ちで、話を準備している。

今回頂いた登壇及び最も大きな「学び」は、上記のとおりです。

3. インハウス弁護士(講師)による補記

“もてなしの心”を意識したテーマ設計

あなたが複数の協賛企業様が参加するセミナーの基調講演やセミナーに呼ばれた場合、あなたに期待されていることを予め理解するようにすることが喜んでもらえる秘訣かもしれません。

より具体的には弁護士に対してこのような内容を話してくれと言うのは、非常に申し出にくいものです。

もしもあなたが無邪気に話したいテーマを勝手に決めて、そのまま当日話し出した場合、イベント全体を視聴している視聴者には、そのテーマがイベント全体と少しずれているように聞こえるかもしれません。

協賛企業の役割を理解する重要性

ここで大切な事は、協賛企業様がお金を払って、当該セミナーを実質的に作ってくださった大切なスポンサー様ということです。

この視点を持てば、登壇者が期待されている事は、依頼されている主催企業様の期待に応えるだけではなく、主催企業にイベントのお金を支払って参加してくださっているスポンサー様も満足できるような基調講演を提供できるかどうかにかかっています

依頼を受けた瞬間に自分が話したいことや自分の経験に夢中になっていると、これらの大きな期待されている役割を見失います。

これは、私たちが実際に参加者としてセミナーに参加した際に、有名人の基調講演者がセミナーのテーマとあまり合わない話や、過去の発表をほぼ同じ形で繰り返している話をされていて、有名だからと思って聞いたものの、結局その後に続くサービス紹介や他のテーマと噛み合っていなかったと感じたことがあるかもしれません。

これは当該有名人が自分の話したいことを優先しているために、いちばん大切な主催者様、そしてイベントに協賛してくださっている協賛企業様の狙いや思いというものを十分に汲み取れていないため生じているのです。

全体を通じたテーマ設定のコツ

結局のところ、当該イベントに集まってくださるオーディエンスの方々も、あなた個人の講演だけが目的なのではなく、イベント全体を通じて何かを学びたい、何かを知りたいと思って申し込みをしているのです。

したがって、あなたがこうした全体的な視点を欠いたまま、自分が話したいことだけを話し出してしまうと、本来であれば次の協賛企業様のイベントまで残ってくださっていた方が、あなたの「脱線したテーマ」を聞き飽きた時点で離脱してしまうかもしれません。

ではどのようにすれば良いのでしょうか?

答えは簡単ではありませんが、主催者様があなたに期待している事は、協賛企業様やそのセミナー全体を貫くテーマに関連するもの、その中であなたの経験から具体的にお話できるテーマ、さらに言えば、そのお話を聞いた上で各協賛企業様や主催企業のセッションを聞いた視聴者が考えを深められるような、“もてなしの心”に満ちた内容かどうかだと思います。

例えば下記は何度も何度も書き直した当該イベントへのご案内です。これらのご案内について、あまりこだわらずに書いたり、主催者に任せる方もいらっしゃいますが、私はこれこそが、お客様がこのイベントに参加してくださるかどうかを決める最初の初対面のご挨拶だと考えています。タイトルを含めた説明文を軽視すると、視聴者がどのようなベネフィットを得られるのか、そしてこのイベント全体の他セッションにどうつながるのかという点が伝わらず、結果的に魅力が薄れてしまいかねません。

徹底的に考えて作成すれば、きっと多くの方に喜んでいただけるのではないかと私は思っています。泡の抜けたようなビールのような適当な講演タイトルや内容を送付するのは絶対にやめましょう。考えて考えて考え抜いて、それが、主催者様や協賛企業様ひいては、お忙しいオーディエンスの皆様の心に留まる可能性があるか、しっかり検討しましょう。

組織内弁護士の金貨を考える:語られない企業の採用懸念トップ5
─企業法務部での成功と失敗の分かれ道


弁護士ドットコムのイベント限定。
企業が抱く「組織内弁護士の採用懸念」のトップ5をご存じでしょうか?

基調講演では、1,233社を対象とした経営法友会様の調査結果に基づいて、企業があなたの顔を見て言いづらいトップ5の懸念を取り上げます。
そして、法務部での転職とリスタートを成功させる方法を一緒に考えます。

このテーマを深めるため、DeNAとAirbnbを合わせて13年の組織内弁護士経験を持ち、2025年1月からAirbnb日本法人の取締役に就任した弁護士・渡部友一郎先生を招き、来たるべき「次の転職」に向けて解説。

会社に入って苦労して自ら学ぶか、今のうちに押さえておくか―
大切な「組織内弁護士の金貨」を探ります。

https://event.bengo4.com/20250222 より抜粋

4. 過去の登壇例

5. 登壇のご依頼があれば、お知らせいただけたら幸いです。

講演のご相談は、こちらのGoogle Formからご連絡を賜れますと幸いです。


(了)

※記事に関しては個人の見解であり、所属する組織・団体の見解でありません。なお、誤植、ご意見やご質問などがございましたらお知らせいただければ幸甚です(メールフォーム)。

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