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【日曜朝連載】タイポグラフィの最適化丨名著精読!『Legal Writing in Plain English』第41回

問題の所在+ソリューション[各連載回に共通]

Problem Statement (問題の所在)「将来は、グローバルな力も高めたい…でも、英文契約書は怖い」「法律英語が上達しない」「欧米弁護士の思考で英語の法律文書が書けない」― 法律英語のライティングの悩みは日本の法律家に共通します。私も、です。

ソリューション 2022年、Airbnb法務部の研修で、魔法のような体験がありました。名著『Legal Writing in Plain Englishガーナー教授から直接学ぶ機会があったのです。「できなかった」理由がすっと理解できました。そこで、毎週1記事、名著を「分析」し、一緒に(同期やライバル達よりも)法律英語に少しだけ強くなっていきませんか? ― 精読して蓄えていきましょう。

想定する読者 法律家・法務部門・司法修習生/ロースクール学生の皆様

読了により、得られる情報

ガーナー教授の教科書は、以下の重要な知見を私たちに提供してくれました。①「すべての法律文書に共通する」20のルール(連載第1回〜第21回参照)、②「英語を分析的・説得的に活用する技術」(連載第22回〜第31回参照)の10のルール、③「法的ドラフティングの原則」(連載第31回〜第40回参照)です。

連載もいよいよ残り10回となりました。第4章では、「文書デザインの原則(PRINCIPLES FOR DOCUMENT DESIGN)」に焦点を当てます。この章を通じて、ガーナー教授の教科書をさらに深く学び、法律英語のスキルをもう一段階引き上げ、より高度なレベルへと到達することを目指します。

さあ、頂上まであと少しです。10合目を目指し、毎週日曜日に進める残り10回、一緒にがんばりましょう!

§ 41. Make sensible choices about typography: use a readable font and type size, don’t underline, minimize all-caps and initial caps, and put one space between sentences.

講義ノート

ガーナー教授は、タイポグラフィ(typography)の選択が法文書の可読性と効果において重要であると指摘します。まず、読みやすいフォントと適切なサイズを選ぶべきであり、特にセリフ体(例:PalatinoやGaramond)の使用を推奨しています。一方で、Courierのようなタイプライター用フォントは見栄えが悪く、避けるべきだと考えます。また、ガーナー教授は、強調方法についても工夫が必要だと述べます。全て大文字(all capitals)や下線(underline)は可読性を損なうため避け、代わりに太字(boldface)や斜体(italic)、フォントサイズの変更(variable point sizes)など、現代のコンピュータが可能にする選択肢を活用するべきだと強調します。

ガーナー教授の教科書(第3版)―敬意をもって強く推薦―

Garner, B. A. (2023). Legal Writing in Plain English, Third Edition: A Text with Exercises. Chicago: University of Chicago Press.

現在・将来、英文の法律文書を扱う法律家・法務部員の方は必携です(Amazonを見る

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ご相談・講演のご依頼などはこちらからご連絡を賜れますと幸いです。


(了)

※記事に関しては個人の見解であり、所属する組織・団体の見解でありません。なお、誤植、ご意見やご質問などがございましたらお知らせいただければ幸甚です(メールフォーム)。

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