新規論説丨渡部友一郎「Z世代の風、管理職に吹く」が金融法務事情2246号(2024年)1頁

読者の皆さま、いつもお読みいただきありがとうございます。このたび、私が執筆した「Z世代の風、管理職に吹く」が、金融法務事情2246号(2024年)の巻頭に掲載されました。本記事では、現代の職場における若手、特にZ世代と呼ばれる世代の特徴や、管理職としての向き合い方について考察しています。

「Z世代の風、管理職に吹く」執筆の背景と想い

渡部友一郎「Z世代の風、管理職に吹く」が金融法務事情2246号(2024年)1頁

記事を書くにあたり、私自身が感じていたのは、法律事務所や企業法務部門の現場での「世代間のギャップ」とその克服の難しさです。管理職としての私たちは、Z世代の価値観や仕事観を理解し、彼らが持つ可能性を最大限に引き出す方法を模索する必要があります。本記事が、読者の皆さまにとって少しでもその手がかりとなれば幸いです。

Z世代の特性と「風を読む」ヒント

この記事では、Z世代の特徴について、小栗隆志著『Z世代の社員マネジメント』(日本経済新聞出版、2024年9月)からの知見を引用しながら考察しました。同書によれば、Z世代は次のような特性を持つとされています:

  • 「深耕する」スキル:進化や挑戦よりも、特定分野を深く掘り下げることを重視。
  • 「承認」を求める心:競争や賞賛ではなく、現実的な対話や協調を求める価値観。

このような特性を理解することが、Z世代との円滑なコミュニケーションやマネジメントの第一歩になります。

また、2024年に私が行った若手弁護士への調査では、キャリア成長への不安が依然として高いことや、ロールモデルの不足が課題として浮き彫りになりました。この調査結果は、具体的な現場データとして、Z世代の特性に基づいたマネジメントの在り方を考えるヒントとなると考えています。

管理職として「帆を動かす」

ウィリアム・アーサー・ワードの言葉を引用し、記事では「帆を動かす現実主義者」としての行動を提案しています。書籍やデータを参考にするだけでなく、自ら現場の声を拾い上げ、小さな試みを積み重ねていく重要性を強調しました。

具体的には、目の前のチームメンバーや部下との対話を大切にし、自分なりの仮説を検証するプロセスが求められます。現場で得た知見は、他にはない価値のある指針となるはずです。

記事を執筆して感じたこと

この執筆を通じて改めて感じたのは、管理職として若手の声に耳を傾け、現場での体験を通じて試行錯誤することの大切さです。Z世代という「新しい風」をただ迎え入れるだけでなく、その風を読んで帆を動かすことで、管理職自身も成長できるのではないかと思っています。

「Z世代の風、管理職に吹く」が、現在の職場環境における若手との向き合い方において、少しでも皆さまのお役に立てる内容であることを願っています。ぜひ金融法務事情2246号をご一読いただき、ご感想をお聞かせいただければ幸いです。

下記には他の連載の記事もございます、ご興味があればご高覧ください。引き続きご指導ご鞭撻をどうぞよろしくおねがいします。

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(了)

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