問題の所在+ソリューション[各連載回に共通]
読了により、得られる情報
ガーナー教授の教科書は、まず「すべての法律文書に共通する」合計20のルールを提供してくれます(連載第1回〜第21回参照)。
第2部では、ガーナー教授が「あなたの英語を、分析的・説得的に働かせる技術」を厳しく鍛えます。私は外資系企業で合計12年以上勤務しており、「英語で読み書きできる」だけでなく、「分析的・説得的に働いてくれる英語の技術」が求められていることを痛感しています。
あなたの英語は、誤解があれば恐縮ですが、単に日本語を英訳しただけの「情報伝達の機械的なソースコード」になっていませんか?(私はこのフィードバックをもらったときは悩みましたが、前進を決意しました。)
情報は文字として伝達(トランスミット)されるだけでは不十分で、相手に影響を与え、こちらが期待する行動変容や回答を引き出すために「分析的・説得的に働く」必要があります。第2部では、英語の「羅列」から「伝わる英語」への進化を一緒に勉強していきましょう!私もまだまだ未熟ですが、精読を通じて皆様と一緒に成長したいと考えています。
要点
前回、ガーナー教授は、「分析的および説得的な英語ライティング技術」(analytical and persuasive writing)のために1つ1つの段落を「強く」するテクニックを教えてくれました。今回は、1つ1つの段落同士を繋いで、導くためのテクニックが紹介されています。教科書には、ガーナー教授が自ら書いた模範例がありますので、ぜひチェックしてください。ここではあくまでもハイレベルな要点のみご紹介しているにとどまります。
具体的な技法としては、ポインティングワード(this, thatなど)、エコーリンク(echo links)、明示的な接続詞(explicit connectives)(also, thereforeなど)を使用します。これらの技法を使いこなすことで、読者にとって読みやすく、論理的に一貫した文章を作成できます。
Context | Phrases |
When adding a point | and, also, in addition, besides, what is more, similarly, nor, along with, likewise, too, moreover, further, another, as well as |
When giving an example | for instance, for example, as one example, to cite but one example, for one thing, for another thing, likewise, another, suppose, say, imagine, consider, take |
When comparing | similarly, likewise, in the same way |
When restating | in other words, that is, this means, in simpler terms, in short, put differently, again, in sum |
When introducing a cause | because, since, when |
When introducing a result | so, as a result, thus, therefore, accordingly, then, hence |
When conceding or qualifying | granted, of course, to be sure, admittedly, though, even though, even if, only if, true, while, naturally, in some cases, occasionally, if, while it might be argued that, despite, even assuming |
When pressing a point | in fact, as a matter of fact, indeed, of course, without exception, still, even so, anyway, the fact remains, assuredly, all the more reason |
When narrating | that is, then, earlier, previously, meanwhile, simultaneously, now, immediately, at once, until now, soon, no sooner, that being so, afterward, later, eventually, in the future, at last, finally, in the end |
When summing up | to summarize, to sum up, to conclude, in conclusion, in short, in brief, so, and so, consequently, therefore, all in all |
When sequencing ideas | First, … Second, … Third, … Finally, … |
ガーナー教授の教科書(第3版)―敬意をもって強く推薦―
Garner, B. A. (2023). Legal Writing in Plain English, Third Edition: A Text with Exercises. Chicago: University of Chicago Press.
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<後日更新いたします>
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ご相談・講演のご依頼などはこちらからご連絡を賜れますと幸いです。
(了)
※記事に関しては個人の見解であり、所属する組織・団体の見解でありません。なお、誤植、ご意見やご質問などがございましたらお知らせいただければ幸甚です(メールフォーム)。
Problem Statement (問題の所在)「英文契約書は好きでない」「法律英語が上達しないのはなぜ」「欧米弁護士の思考で英語の法律文書が書けない」― 法律英語のライティングの悩みは日本の法律家に共通します。私も、です。
ソリューション 2022年、Airbnb法務部の研修で、魔法のような体験がありました。名著『Legal Writing in Plain English』のガーナー教授から直接学ぶ機会があったのです。「できなかった」理由がすっと理解できました。そこで、毎週1記事、名著を「分析」し、一緒に(同期やライバル達よりも)法律英語に少しだけ強くなっていきませんか? ― 精読して蓄えていきましょう。
想定する読者 法律家・法務部門・司法修習生/ロースクール学生の皆様