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成長戦略の真実:持続可能なスピードを見極める(3)丨ハーバード・ビジネスレビュー最新号24年3−4月号

お読みいただき、ありがとうございます。「勉強時間なんて、忙しすぎて作りようがない」―大人になった私達に広く共通する悩みです。30代前半、私は、言い訳(他責含む)を止めて、答を早朝勉強に求めました。今でも、毎朝4時台に起床し、机に向かいます。ここでは、ハーバード・ビジネス・レビュー最新号(英語)に掲載された論文をノロノロ読み、後日、講演・執筆で利用できそうな気になる論文を備忘的にまとめています。

(*)英語力が乏しいためノロノロとテクノロジーの力を借りて整理しています。学びがある雑誌で、私もファンの1人です。よろしければ、HBR定期購読(定期購読サイト)をご検討ください。

Gary P. Pisano (2024). How Fast Should Your Company Really Grow? Why leaders should take a strategic perspective, Harvard Business Review, 102(2), 39-45.

メモ

次に、成長方向の選択について、どのように考えるべきだろうか?

筆者は、企業が成長するためには、どの「市場機会」(market opportunities)を追求するかを慎重に選択すべきであると主張する。

成長戦略として、主要市場での拡大、「隣接製品やサービス」(adjacent products and services)への範囲拡大、「無関係な産業」(unrelated industries)への「多角化」(diversification)がある。

例えば、ウォルマートやUPSなどは主要市場での拡大で成功した。一方で、ダナハーやジョンソン・エンド・ジョンソンなどは多角化戦略を取った。

企業は、市場動向だけでなく自社の「運営能力」(operating capabilities)や「独自のリソースが競争優位を提供する市場」(markets where our capabilities and other unique resources provide us with a competitive advantage)を見極めるべきである。「半導体産業」(semiconductor industry)のように、一部の企業が業界成長の大部分を占める場合もある。事実、Nvidiaは強力なGPU設計能力でAIチップ市場の61%を占めている。

「製薬企業」(pharmaceutical companies)のように、「特定の市場での深い能力」(deep, market-specific capabilities)を持つ企業は、その能力が他の産業に「転用しにくい場合」(none of those capabilities transfers readily to other industries)がある。

逆に、広範な技術資産やブランド力を持つ企業は、多様な市場セグメントで成長する可能性が高い。例えば、ナイキはランニングシューズメーカーからスポーツ用品全般に拡大し、「ブランド力」(brand equity)を基に大きな成長を遂げた。

「成長」を叫ぶ経営陣。リソースが足りない「現場」。今回は、多くの経営者や経営者を支える法務関係者には、非常に興味深い論文です。持続可能な成長を科学してくれています。

今日はここまで。引き続きどうぞよろしくお願いします。1歩1歩。

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(了)

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