メディア掲載丨朝日新聞「AIで翻訳加速、精度も向上へ 読み込ませた57万件の法令文書」

昨年、日本組織内弁護士協会の広報G様のご紹介により、朝日新聞の取材の機会をいただきました(深謝)。真摯に準備し、記者様とお話をさせていただきました。

本日、上記の記事が掲載されました。

いつもご指導いただいている皆様のおかげです、改めて、ありがとうございます。

記事名AIで翻訳加速、精度も向上へ 読み込ませた57万件の法令文書
日 付2024年1月14日
媒 体朝日新聞デジタル
URL等https://digital.asahi.com/articles/ASRDY43CLRD2UTIL004.html

[考察]

<3つのポイント>
(1)法務省様のイニシアチブに感謝。作業は地味で評価されづらいが凄いインフラ👏。(2)信頼できる公的機関の英訳がひとまず重要は同意。(3)しかし、外国法律家が理解しやすいかは別問題。金商法の法務省英訳を見たイギリス人弁護士が、「Oh…まるで シェークスピアだ」(*)(=理解できない英語だ)と言っていたことは、今でも忘れられない。
<私見>
(3)については、柏木昇先生の『法律文書の英訳術』(2023年、商事法務)で既に論じられている通り、そもそも、日本法と英米法の違いから、100%正確に英訳しても理解できない部分があるのは構造上の問題。法令英訳の試みの批判とは分けて考える必要がある。いずれにせよ、現状の英訳スピードが、実務の要請に追いついていないことは(様々な予算等の制約も理解した上で、かつ、誰かを批判する趣旨ではなく)客観的な残された課題である。

(*) 高校生の頃、父が、イギリスで学会があり、一緒に父子でイギリスに行ったことがあります。そのとき、ストラットフォード・アポン・エイボン(シェイクスピアの生家がある街)にて、ロイヤル・シェイクスピア・カンパニー(劇団)の『ヘンリー五世』を見に行ったんです。歌舞伎と一緒で、古い英語(=しかも地方の県立高校生の英語力)のため、ちんぷんかんぷんでした。劇の後に、隣のイギリス人に、「ちょっとお尋ねしますが、劇の英語ってわかるものですか?」ということを父が聞いたら、「実はほとんどわかんないですわ」的な答が返ってきた。その時の経験から、「シェイクスピアみたいな英語」=「労力をつかって、読もうと思えば理解できないこともないが、すっと読めるものではない」というニュアンスと理解しました。

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(了)

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