Gizem Yalcin and Stefano Puntoni (2023). How AI Affects Our Sense of Self – And why it matters for business, Harvard Business Review, 101(5), 130-136.
1. 人工知能とコミュニケーション AIと自動化技術の導入において、コミュニケーションの最適化が必要とされている。我々の研究では、抵抗や反発のリスクを最小限に抑えるための3つのコミュニケーション戦略が明らかにされた。
- AIインターフェースの人間化
- 企業は、顧客や従業員とのコミュニケーションのためにAIインターフェースを使用する場合、それを人間化することを検討すべきである。
- AIに名前(Sam)を付け、アバターを追加し、人との対話をより対話的にすることで、人々は人間の従業員に反応するのと同じように反応した。
- 我々が協力したフィンテック企業の事例では、感情的に表現的なキューを取り入れたAIを用いることで、顧客の興味が高まった。
- 自動化製品に関するコミュニケーションの改善
- 人々が特定の領域や活動と同一化すると、自分のスキルや努力に結果を帰属させることができないと感じると、自動化に対して抵抗を感じることがある。
- Stefano, Leung, Paolacciのプロジェクトでは、製品がユーザーのスキルを補完する形でフレーミングされると、消費者の態度がポジティブになることが示された。
2. 自動化技術の心理的影響 自動化技術は、製品や労働市場だけでなく、それを使用する人々の自己認識にも変化をもたらしている。企業は、ビジネスプロセスや製品の設計を戦略的に行い、人々の感情を考慮する必要がある。
- 心理的障壁の克服
- 自動化が従業員のコミットメントや顧客満足度の低下のリスクをもたらす可能性があり、企業はその利益とリスクを天秤にかける必要がある。
- AIと自動化を導入する際の適切な問いは、「私たちはできるか?」ではなく、「私たちはすべきか?」である。
今日はここまで。引き続きどうぞよろしくお願いします。1歩1歩。
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(了)
※記事に関しては個人の見解であり、所属する組織・団体の見解でありません。なお、誤植、ご意見やご質問などがございましたらお知らせいただければ幸甚です(メールフォーム)。
ハーバード・ビジネス・レビュー最新号(英語)に掲載された論文をノロノロ読んでおります。後日、講演や文献で利用できそうな気になる論文を備忘的にまとめています。心理学学士・認定心理士を取得してますます人の心理に興味がひろがっており、次にワクワクと興味を強くもったのが、『AI(製品)が私達(人間)の自己意識に与える影響』を論じた論文でした。
なお、英語力に乏しく、自身の理解に限界があるため、必ず、ご自身で原典をご購読・ご精読いただけたら幸いです。