『AI弁護士業』第8回丨文書自動化と契約分析―あなたの収益源を革新する[2/3]丨海外名著📕を一緒に学ぶ

図表・データ | 組織内弁護士研究ノート® | 法務部とインハウス弁護士の金貨
『AI弁護士業』第8回丨文書自動化と契約分析―あなたの収益源を革新する[2/3]丨海外名著📕を一緒に学ぶ

William Liu, AI-Powered Law Practice: Boost Efficiency and Profits with AI – A Practical Guide for Solo and Small Law Firms (The AI Business Series, paperback ed., July 30, 2025).  

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毎週日曜日の朝に更新し、日本ではまだ翻訳されていない名著に光を当ててまいります。日本の「弁護士業界」においても、規模を問わず、日々の業務を効率化するためにAIをどのように活用するかが議論されております。

しかし⋯すでに答えが示されているのではないか、と唸らされたのが『AI-Powered Law Practice: Boost Efficiency and Profits with AI』(Amazonでハードカバを購入)という原典でございます。私はAmazonにて原典(ハードカバー)を購入いたしました。これからユースケースを模索し、コミュニティーで議論を重ねることも大切ですが、むしろこの英語で記された原典を丁寧に読み解くことの方が、日本全体にとって大きな学びにつながるのではないかと感じ、新しい書籍としてご紹介させていただきます。

もっとも、私自身もまだ学びの途上にございます。本ブログでは、原典に深い敬意を払いながら、私が理解した範囲を例え話とともに整理し、基礎的な部分のみを備忘録として独自にまとめております。そのため、ぜひ直接原典にあたっていただくことを心からお勧めいたします。

わかりやすく例えると?

🍔 私は鳥取県鳥取市出身なのですが、小さい頃、市内にマクドナルドって市街地に1軒しかなかったのです(実話)。ですので、鳥取の郊外にある小学校では「週末、家族でマクドナルドいったんだぜ!」「すげえ!」「いいなあ」という話があったものです。さて、本日から12/14, 21, 28と年内3回で扱う第3章の内容は「ハンバーガーショップ経営」にたとえると分かりやすいです。手作業で全ての工程をこなす店と、自動調理機器や注文管理システムを導入した店とでは、売上と利益に大きな差が生まれます。

⏱️ 手作業では1つのハンバーガーを作るのに10分かかりますが、自動化を導入すれば2〜3分で完成します。同じ1時間で作れる数が4倍になり、料金を少し安くしても、利益はむしろ増えます。

💴 事例として、ある店は導入前に年商約2,700万円、1日数十個の提供で精一杯でした。自動化後は同じスタッフ数で年商約1.4億円、1日数百個を提供できるようになり、利益率も3倍近くに伸びました

🛠️ 自動化機器には「①基本のテンプレート型」「②条件に応じて変えるロジック型」「③さらに改善点を提案するAI型」の3種類があり、組み合わせることで効率と品質が最大化されます。

📈 この仕組みを取り入れた店は、スピードと正確さで顧客の信頼を得て、同日配達や大量注文への対応も可能になります。結果として、他の店は価格でしか勝負できず、競争から脱落していきます

🎯 つまり弁護士業の世界でも、文書自動化と契約分析は「調理の自動化」と同じであり、効率・利益・信頼を一気に引き上げる武器になるのです(と書かれている⋯と思いますが毎度のことながら例えが完全に正しいかは自信がございません)。

事例で読む収益化のメカニズム

原著の著者は、米国の事例であるものの、SacramentoのSarah Chen氏の事例を挙げます。

  • 導入前―年商約2,700万円(180,000ドル)週60時間労働年間約200件平均報酬は1件あたり約13.5万円(900ドル)所要時間は1件8〜12時間であった。
  • 自動化後―年間約800件、平均報酬は約18万円(1,200ドル)に上昇し、年商は約1.44億円(960,000ドル)、週45時間労働、1件当たり2〜3時間へ短縮された。
  • 人件費面でもパラリーガルが2.5名相当から1.5名相当へ圧縮され、売上は433%増、利益率は22%から67%へ跳ね上がった。
  • テンプレート組立てにより反復的な起案が消え、弁護士は面談、戦略、品質最終確認に専念できるため、同日作成、週末対応、一括割引といった高付加価値オプションが成立するようになったと紹介する。
  • さらに⋯この利益を再投資して機能を拡張する好循環が生まれ、速度、品質、価格の三点で模倣困難な優位が固定化されると筆者は主張する。

お休みにお目通しをいただき、ありがとうございます。日本の弁護士業界全体のお役に立てば幸いです。

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ご相談・講演のご依頼などはこちらからご連絡を賜れますと幸いです。


(了)

※記事に関しては個人の見解であり、所属する組織・団体の見解でありません。なお、誤植、ご意見やご質問などがございましたらお知らせいただければ幸甚です(メールフォーム)。