御礼とご報告📖丨心を込めて執筆した『成長を叶える 組織内弁護士の教科書』 が11/4 発売へ(詳細はこちら)

日経「6割が職場でハラスメントを経験。うち最多90%は◯◯ハラ😡」

図表・データ | 組織内弁護士研究ノート® | 法務部とインハウス弁護士の金貨
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日本経済新聞の月曜版「税・法務」は、多くの法務部門や弁護士の方がご覧になっていると思います。今週の注目記事を取り上げながら、皆さまのご意見も伺えれば幸いです。学びの途中ではありますが、情報交換の場として活用いただければと思います。

今週は月曜日朝刊の紙面に掲載されるか分かりませんでしたが、こちらの記事をご紹介させていただきます。

今週の注目記事

職場のハラスメント6割が経験、最多はパワハラ エン調査

掲載紙:日本経済新聞 | 掲載日:2025年10月3日丨注目記事を執筆された記者:(非署名記事)

記事によれば、エンの転職サイト利用者調査(第4回)で、職場でのハラスメント経験は63%。種類ではパワハラが最多で経験者の90%、セクハラ21%、カスハラ19%でした。経験者の31%は「誰にも相談せず」、理由は「相談しても解決しないと思った」68%が最多でした。企業に望む対策は「相談窓口の設置」43%、「実態調査」41%、「風土改革」39%で、対策の不十分さが示唆されます。

★ 63%が「職場でハラスメントを受けたことがある」と回答。

★ 受けたことのあるハラスメントは「パワハラ」が90%で最多。

 ハラスメントを受けた経験がある方の3割が「誰にも相談しなかった」と回答。理由は「相談しても解決にならないと思ったから」が最多。

★ 職場のハラスメント対策、進展の一方で31%が未実施。

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001077.000000725.html

組織内弁護士の視点

はじめに

11月4日に皆様のお力添えで『成長を叶える 組織内弁護士の教科書』を出版する運びとなりました。本書では、10年以上前の自分を振り返り、当時の非常に苦しかった経験を率直に記しています。誤解があれば恐縮ですが、以下は組織内弁護士としての個人的な所感です。

当時の心境

ずっと恥ずかしくて言えませんでしたが、私はハラスメントと思しきものを受ける立場にあったことがあります。法律を学んでいても、いざ自分に降りかかると「自分が悪いのでは」「報復が怖くて人事に言えない」「相談しても解決しないかもしれない」「もしアクションを起こしても、会社の処分が軽く、かえって自分が居づらくなるのでは」と感じ、声を上げられない場面がありました。今振り返れば、若い私自身にも至らない点はありましたが、過去と他人は変えられません。変えられるのは、過去をどう見つめ、もしかしたら、現在、進行形でハラスメントにスレスレで心身をすり減らしているかもしれない後輩達のためにどのように行動していくのかということです。

変化と課題

この10年で、法律事務所でもパワーハラスメントに関する理解はリーダーや管理職の間で広がり、状況は改善してきたと聞いています。

他方で、かつての厳しい指導が成功体験と結び付き、無自覚に継承される懸念は残ります。

先輩のやり方をそのまま踏襲するのではなく、組織的に「アンラーニング」を進め、科学的知見に基づく適切なマネジメントを学ぶ機会が実効的に機能しているかについて、引き続き丁寧に各組織が確認をしていく必要があると思います。

結び

最後にお伝えしたいのは、皆様の健康以上に大切なものはないという一点です。

それを奪うような職場や上司に対しては、どうかしっかり距離を取り、適切な対応をなさってください。

11月4日の下記書籍でもセルフコンパッションやセルフケアについて触れ、私自身の苦い経験も記しました。健康が損なわれ、自分がボロボロになるまで他人のために成し遂げなければならない仕事などありません。もし限界に近づく瞬間があっても、それはあなたの幸せのためであるべきだと考えます。私にも至らない点やまだまだ学んでいる点もあり、誤解があれば恐縮ですが、この小さなメッセージが、どなたかの心と体を守る一助になれば幸いです。

組織成長を叶える 組織内弁護士の教科書丨迷うたび、読んでほしい

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(了)

※記事に関しては個人の見解であり、所属する組織・団体の見解でありません。なお、誤植、ご意見やご質問などがございましたらお知らせいただければ幸甚です(メールフォーム)。