
社労士の職業倫理/広告適正化丨目次
社労士の職業倫理/広告適正化丨今週の注目記事
社労士広告「100%経営者の味方」は不適切 労使中立反する797件是正
掲載紙:日本経済新聞 | 掲載日:2025年8月30日丨注目記事を執筆された記者:礒哲司記者
記事によれば、全国社会保険労務士会連合会は「100%経営者の味方」など中立性に反する広告を監視し、2021年以降のパトロールで1,034件を指摘、797件(77%)を是正したとのことです。2025年1月には指導指針を改正し、問題のある「5類型」を明確化。約4万6000人の国家資格として、都市部の過当競争を踏まえ倫理研修強化を進める模様です。
第1条(社会保険労務士の使命)
社会保険労務士は、労働及び社会保険に関する法令の円滑な実施を通じて適切な労務管理の確立及び個人の尊厳が保持された適正な労働環境の形成に寄与することにより、事業の健全な発達と労働者等の福祉の向上並びに社会保障の向上及び増進に資し、もつて豊かな国民生活及び活力ある経済社会の実現に資することを使命とする。
第1条の2(社会保険労務士の職責)
社会保険労務士は、常に品位を保持し、業務に関する法令及び実務に精通して、公正な立場で、誠実にその業務を行わなければならない。
<参考>弁護士法
第1条(弁護士の使命)
1 弁護士は、基本的人権を擁護し、社会正義を実現することを使命とする。
2 弁護士は、前項の使命に基き、誠実にその職務を行い、社会秩序の維持及び法律制度の改善に努力しなければならない。
第2条(弁護士の職責の根本基準)
弁護士は、常に、深い教養の保持と高い品性の陶やに努め、法令及び法律事務に精通しなければならない。
社労士の職業倫理/広告適正化丨組織内弁護士としての私見
誤解があれば大変恐縮ですが、社労士に求められている「中立性」とは異なり、弁護士は「依頼者の擁護」を担う一方で公益的使命も負っております。また、弁護士業における広告についても、同様に、十分な留意が必要であると感じております。なお、最近受講した二弁の倫理研修(ビデオ受講が可能であり、朝晩の業務時間の合間を縫って視聴でき、何度も確認できる点で大変ありがたい仕組みでした)は、改めて多くの学びがありました。
皆さまはどう思われますか?
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(了)
※記事に関しては個人の見解であり、所属する組織・団体の見解でありません。なお、誤植、ご意見やご質問などがございましたらお知らせいただければ幸甚です(メールフォーム)。
日本経済新聞の月曜版「税・法務」は、多くの法務部門や弁護士の方がご覧になっていると思います。今週の注目記事を取り上げながら、皆さまのご意見も伺えれば幸いです。学びの途中ではありますが、情報交換の場として活用いただければと思います。
週末には月曜版「税・法務」を拝読し、紙面で大きく扱われる記事というよりも、私たち「法務/組織内弁護士」に実務で役立つ内容に焦点を当ててご紹介しております。今週は、社会保険労務士の適正な広告に関するニュースを取り上げました。弁護士にとっても示唆が多いテーマだと考えております。