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IT系の弁護士・法務部は必見!プラットフォームの4つの拡張戦略[1/3]丨HBR2025年5-6月号の掲載論文

火曜日・金曜日は集まれ! #法務のみんなで一緒に前進

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「勉強時間なんて、忙しすぎて確保できない」と悩む方は多いものです。私は30代前半に他責の姿勢を改め、早朝学習に活路を見いだしました。現在も毎朝4時台に起床し、机に向かっております。この場では、英語版Harvard Business Review(HBR)最新号に掲載された論文をゆっくり読み、講演や執筆で活用できそうなものを備忘録としてまとめています。事業部を支える法務部や組織内弁護士だからこそ、毎週火曜日と金曜日にご一緒に専門外の最新知見に触れてまいりましょう。なお、これは私的な備忘録であるため、内容に誤りが含まれる可能性がございます。原文をお手元でご確認の上、ご検討いただければ幸いです。

(*)英語力が乏しいためノロノロとテクノロジーの力を借りて整理しています。学びがある雑誌で、私もファンの1人です。よろしければ、HBR定期購読(定期購読サイト)をご検討ください。

一緒に学ぶ論文はこちら

David J. Bryce, Jeff Dyer and Marshall W. Van Alstyne (2025). Are You Missing Growth Opportunities for Your Platform – Four ways to scale, Harvard Business Review, 103(3), 60-69.

全体像丨わかりやすくまとめてみる

<わかりやすくまとめてみる> 本論文は、デジタル・プラットフォームについて論じておりますが、ややとっつきにくい部分があります。そこで、「遊園地づくり🎡」(昔、管理人はプレステの「テーマパーク」というゲームをやり込んでいました)の例で考えるとわかりやすいです。まず、人気のジェットコースターを徹底的に磨いて客足を増やすのが既存機能の強化、次に新しいアトラクションや子どもエリアを順番に足して客層を広げるのが新規機能・新規サイドの追加、最後に「家族の思い出づくり」というテーマで園内すべてを再配置してスーパーアプリ化する流れです。これらが、プラットフォーム拡張・進化の3段階に対応します。多分。

個別丨本日のポイント

  1. 本論文は、「既存・新規インタラクションとサイドを組み合わせる4パターン」を提唱しています(面白い!)。
  2. 筆者によれば、プラットフォームの成長単位は「インタラクション」「サイド」です。
  3. 本稿では拡張機会を
    • ①既存インタラクションの利用促進
    • ②新規インタラクションの追加
    • ③新規サイドの追加
    • ④新規インタラクションと新規サイドの同時追加の4類型に整理します。
  4. 例えば、Uber は②③④を連鎖させて Eats や Lime を展開し、5年間で売上を13から37億ドルへ伸ばしました。
  5. 一方、①を徹底しなかった Venmo は即時入金や QR 決済を 8年遅れで導入し、後発の Cash App に市場シェアの約45%を奪われています。
  6. まず①でネットワーク効果を自走させ、臨界点到達後に②③④へ資源を振り向ける順序が望ましい、と筆者は指摘します。
  7. 他方、拙速な多角化が Rdio の破綻につながった事例もその裏付けです。世界時価総額トップ10のうち7社、ユニコーンの60%超が採用する枠組みを体系的に点検することが、成長機会を取りこぼさない第一歩になると考えます。

30秒考えてみよう。

  • 皆さんはどう思われますか?
  • 組織内弁護士・法務部として「企業内」で活用できる場面はありそうでしょうか?
  • この論文をシェアしたら喜びそうな事業部の方はいらっしゃいますか?(Web版は月1−2記事無料で読めるので、探してシェアしてみてはいかがでしょうか?)

HBRの定期購読のおすすめ

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ご相談・講演のご依頼などはこちらからご連絡を賜れますと幸いです。


(了)

※記事に関しては個人の見解であり、所属する組織・団体の見解でありません。なお、誤植、ご意見やご質問などがございましたらお知らせいただければ幸甚です(メールフォーム)。