『職場のセーフティ(安全性)は法令遵守コストではない。パフォーマンス向上の推進力だ。(2/3)』丨ハーバード・ビジネスレビュー最新号24年9−10月号

「勉強時間なんて、忙しすぎて作りようがない」―大人になった私達に広く共通する悩みです。30代前半、私は、言い訳(他責含む)を止めて、答を早朝勉強に求めました。今でも、毎朝4時台に起床し、机に向かいます。ここでは、ハーバード・ビジネス・レビュー最新号(英語)に掲載された論文をノロノロ読み、後日、講演・執筆で利用できそうな気になる論文を備忘的にまとめています。

表題の通り、「安全性」がコストではなく、パフォーマンス向上に寄与しているという研究。従業員の安全が重要な企業に所属されている法務部員や組織内弁護士におすすめです。

(*)英語力が乏しいためノロノロとテクノロジーの力を借りて整理しています。学びがある雑誌で、私もファンの1人です。よろしければ、HBR定期購読(定期購読サイト)をご検討ください。

Vikas Mittal, Alessandro Piazza, and Sonam Singh (2024), Safety Should Be a Performance Driver, It’s more than just a compliance issue, Harvard Business Review, 102(5), 116-127.

重要ポイント[2/3]: セーフティ投資の隠れた好影響

筆者らの研究に基づくと、セーフティへの投資がパフォーマンスを向上させることが判明した。

例えば、2021年に行われた11,451人の顧客を対象にした調査では、セーフティが顧客満足度(customer satisfaction)を9%向上させ、さらに、13%の売上増に繋がることが確認された(詳細は本論文をご高覧ください)。

また、619社を対象とした19年間のパネル調査では、セーフティの指標が良好な企業は顧客満足度が高く、売上成長や利益率、株主リターンの向上に寄与していることが示された。

さらに、2023年にニューヨーク市の32,061の建設現場での調査では、セーフティトレーニングの義務化により労働者の傷害率が15%から18%低下し、年間1,800万ドルのコスト削減42%の投資利益率を達成した。

筆者らの見解によれば、これらのデータは、セーフティが、顧客満足度、従業員の福利、売上、利益率、そして長期的な企業価値の向上に直結することを示しているという。

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