【日曜朝連載】数字のルール丨名著精読!『Legal Writing in Plain English』第39回

問題の所在+ソリューション[各連載回に共通]

Problem Statement (問題の所在)「将来は、グローバルな力も高めたい…でも、英文契約書は怖い」「法律英語が上達しない」「欧米弁護士の思考で英語の法律文書が書けない」― 法律英語のライティングの悩みは日本の法律家に共通します。私も、です。

ソリューション 2022年、Airbnb法務部の研修で、魔法のような体験がありました。名著『Legal Writing in Plain Englishガーナー教授から直接学ぶ機会があったのです。「できなかった」理由がすっと理解できました。そこで、毎週1記事、名著を「分析」し、一緒に(同期やライバル達よりも)法律英語に少しだけ強くなっていきませんか? ― 精読して蓄えていきましょう。

想定する読者 法律家・法務部門・司法修習生/ロースクール学生の皆様

読了により、得られる情報

ガーナー教授の教科書は、私たちに「すべての法律文書に共通する」20のルール(連載第1回〜第21回参照)と、「あなたの英語を、分析的・説得的に働かせる技術」(連載第22回〜第31回参照)の10のルールを教えてくれます。

いよいよ、第3章「法的ドラフティングの原則(PRINCIPLES MAINLY FOR LEGAL DRAFTING)」に入りました。この章を一緒に読んでいくことで、読者の皆さまはリーガルライティング(英文契約書のドラフトを含む)の基本原則や実務に役立つ技術を学ぶことができます。ガーナー教授の教科書を精読することで、法律英語の力をさらに一段階高め、より高度なレベルに引き上げていきましょう。

§39. Use numerals, not words, to denote amounts. Avoid word-numeral doublets.

講義ノート

ガーナー教授は、法的文書(legal documents)に記載する数字にも一定のテクニックがあるとします。具体的には:

  • 原則として、数字は、11以上は数値(numerals)で表記し、1から10までは文字で表記する。例外として、同じカテゴリーの数値は一貫して数値表記する。
  • 金額は、百万や十億のような大きな額の場合は「$3 million」、小さな額は「$3,548,777.88」のように表記する。
  • パーセンテージは「9%」など数値で表記。
  • 文頭の数値(number that begins a sentence)は文字で書き始める。例えば、「二百五十三件が処理された」(Two hundred fifty-three cases were disposed of)。
  • 数字と文字を併記する習慣(word-numeral doublets)は、過去に詐欺防止のため発生したが、現代の法文書では合理的な理由が乏しいため推奨されない。

ガーナー教授の教科書(第3版)―敬意をもって強く推薦―

Garner, B. A. (2023). Legal Writing in Plain English, Third Edition: A Text with Exercises. Chicago: University of Chicago Press.

現在・将来、英文の法律文書を扱う法律家・法務部員の方は必携です(Amazonを見る

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ご相談・講演のご依頼などはこちらからご連絡を賜れますと幸いです。


(了)

※記事に関しては個人の見解であり、所属する組織・団体の見解でありません。なお、誤植、ご意見やご質問などがございましたらお知らせいただければ幸甚です(メールフォーム)。

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