24年4月 社外役員就任のご報告(こちら)

制作裏話(4):なぜ、H&Aは堤さんを出向させたのか?―渡部友一郎『攻めの法務 成長を叶える リーガルリスクマネジメントの教科書』

主人公かおりの出向について考察する

前回の記事では、主人公堤かおりさんが出向した「株式会社デンエイ」の裏話をお話してきました。

次に、「リーガルリスクマネジメントの教科書」の舞台は、法律事務所ではなく、出向した企業の法務部なのです。

なぜ、四大法律事務所H&A(菱村あさま法律事務所)パートナーは、留学を希望していた堤さんを、1年間出向させたのでしょうか?

出向の制作秘話

渡部

改めて、出向お疲れ様でございます。堤先生は、留学を希望されていたのに、デンエイ出向となりかなりご立腹でしたよね。ここは安全な空間(Safe Space)なので当時の心境をおうかがいしたく。

堤かおり

はい、今となっては良い経験になりましたので言えますが、当初は、原作者の渡部さんを恨みました。

渡部

実は、菱村あさひ同期入所の熊埜御堂(くまのみどう)先生がご出向の予定だったのですが…。ほら、(元)久佐間先生のチームでM&Aばりばりやっていた、彼です。

堤かおり

え!熊埜御堂くんって言えば、めちゃくちゃやる気があって、企業の法務部門を経験したいと話していたし、それなら、熊埜御堂くんで良かったじゃないですか。どういうことですか?

渡部

実は、シナリオを担当された星井先生と相談した際に、こう言われたんです。『やる気がある子を出向させても読者は共感しない』って。

なので、(堤さんのパートナー[上司である])の名嘉山先生[ちなみに作中では名前は表示されていない]とデンエイ法務部長野田先生の私の3人が相談して、堤先生になったんです。

堤かおり

原作者とはいえ、ちょっと相談なしに酷くないですか?次回作があれば、きちんと事前に相談してください!(怒)

マンガはシナリオのプロを仲間に!

そんなこんなで、堤先生には叱られてしまいましたが、こういう何気ないストーリーにも様々な選択肢があり、シナリオで引き込むための工夫があるというお話でした。

渡部友一郎『攻めの法務 成長を叶える リーガルリスクマネジメントの教科書』 https://www.amazon.co.jp/dp/4817848650/ | Amazon第1位 (3/11法学新着)

***

ご相談・講演のご依頼などはこちらからご連絡を賜れますと幸いです。


(了)

※記事に関しては個人の見解であり、所属する組織・団体の見解でありません。なお、誤植、ご意見やご質問などがございましたらお知らせいただければ幸甚です(メールフォーム)。

渡部推薦の本丨足りない、は補えばいい