“The 休み下手”なインハウス弁護士が「世界一周航空券」から学んだこと―「余命1か月。人生やり残したことで、何をやりますか?」

本エントリの狙い

皆様、いつも大変お世話になっております、また、ご愛読ありがとうございます。

普段このBlogのエントリは、業務・執筆等に関するものがメインです。それもそのはず、筆者は、米国外資系法務部の有給「未」消化率を例年押し上げていた主犯であり、真面目な日本人労働者であり、毎年の業務面談の課題に「休暇を上手く活用しましょう」という優しいフィードバックをいただく「休み下手」だからです。休みについて書くことがあまりないのが実情です。

その筆者に訪れた「mission impossible」すなわち、11月中旬に仕事納めをして年末まで約7年分の有給で「業務をしない」という壮大なミッション(前半)の個人的振り返りの記録となります。

結論:休み下手は「世界一周航空券」で世界を一周すれば良い

前置き(外国人凄い)

外資系に入って外国人凄いなって思った瞬間の1つに「休暇中はメールがまーーーーーったく返ってこない」人がいるということ。日本人で自動返信で「不在中メールを確認できません」とGmailに返信をさせていながら、律儀に、1日3回、私クラスの休み下手になると下手すると日常とかわらずメールをちまちま確認して「緊急」案件がきていないか万全を期しているものです。

ところが、外資系の外国人の中には、本当に、うんともすんとも言わない…絶対に見ていないどころか、中には、休暇から返ってきたら全部未読メールを「全既読」にするという方にであったこともあります。曰く、(自動返信に読まないし再度送れって書いてあるし)本当に重要な案件ならもう一度メールしてくるはずとのこと。私には真似できない芸当です。

理想の休み(勝手なイメージ)を放棄しよう

私の中で「理想の休み」といえば、南国のビーチに水着で寝そべった外国人男性が、かっこいいサングラスをかけて、寝そべっており、その傍らには、冷えたカクテルにストロー、そして、時間が過ぎて、サンセットビーチという謎のイメージがあり、現実の休みと理想の休み(?)とのギャップにはこれまで悩まされてきたものです。

私の暫定的な結論

そして、巡り巡って出した結論は、世界一周航空券を手に入れて、世界一周をしていれば、新しい国・都市に順応する好奇心・不安でメールどころではないし、仕事は忘れられるということです。

世界一周航空券とは、文字通り、世界をぐるっと東廻りor西廻りで一周できる魔法のような航空券です。詳細は(私は出身の鳥取市にある鳥取空港にJALが就航しておらずANAに独占されていたという理由で)生まれてからスターアライアンスなわけですが、スターアライアンスのページをご高覧ください。

私の場合、羽田(HND)→ サンフランシスコ(SFO)→ ニューヨーク(ERW)→ ロンドン(LHR)→羽田(HND) という3つの多様性の象徴とも言える国際都市をめぐる旅を組みました。世界一周航空券は、ウェブでお調べになると分かる通り、①エコノミー、②プレミアムエコノミー、③ビジネスクラス、④ファーストクラスの4つのタイプにわかれます。価格のイメージとしては、飛行距離により異なりますが、羽田(HND)→ サンフランシスコ(SFO)→ ニューヨーク(ERW)→ ロンドン(LHR)→羽田(HND) でぐるっと世界一周をした場合ですと:

  • エコノミー 30万円
  • プレミアムエコノミー 60万円
  • ビジネス 90万円
  • ファーストクラス 120万円

という超大雑把な金額になります。それまで世界一周といえば、500万とか1000万とかそういうイメージでいたのですが、上記金額で言えば、

  • 1ヶ月1万円貯金したら3年(36ヶ月)でエコノミー
  • 1ヶ月2万円がんばって貯金したら3年(36ヶ月)でプレミアムエコノミー
  • 1ヶ月3万円超節約できたら3年(36ヶ月)でビジネスクラス
  • 1ヶ月4万円我慢生活できたら3年(36ヶ月)でファーストクラス

で世界一周ができてしまうわけです。

世界一周をすると「あれほど頭の中で困難かつ壮大」と勝手に思い込んでいた空想が、現実の世界では実現するという大きな手応えや自信になる気がします。司法試験を目指す大学1年生にその合格が途方も無いことと思えたものが、弁護士になった今「あれとこれをやればできる」とその道が見えているという感覚に近いかもしれません。ですので、休み下手であれば、自分を忙しく(そして)壮大な世界で自分の体と心とを刺激に触れさせてOpenにできる、そのような世界一周はとても異なる休みをもたらすと思います。私の中では、世界一周をして、サンフランシスコ・ニューヨーク・ロンドンといずれも地球上の最高峰の多様性と文化が織りなす都市で、自分の一番好きな物を見つけられたということにつきます。本当に行ってよかったなと思います。

Facebookの投稿から転載(最終日に思ったこと)―「余命1か月。人生やり残したことで、何をやりますか?」

(1) 誰しも「余命1か月。人生やり残したことで、何をやりますか?」ーという問答を考えたことがあるはずです。

(2) しかし、リアルに問を考えれば、医療支援必須な状態であり、旅先(県外/外国)で、気ままに1人死去するわけには参りません。

(3) きっと、私含め多くの方が、「残された人に迷惑かけれない。だから、残り1か月は、迷惑かけない範囲のやり残しをやる。」というー配慮と妥協ーに落ち着く気がします。親族でさえ、余命1か月の人を心配し、未知への冒険/挑戦を制止するかもしれません。

(4) Life is too short for what-ifs.

・忍耐強く”いつか”の夢のために貯めておいた時間/お金。

・新型コロナを経験し『いつともしれぬ明日』に私たちは薄々気づいています。

・30代になり時間の流れは早い。

・人によっては、好きでもない会社や上司に、人生の大切な時間を奪われている。

(5) 私自身、無我夢中で奮闘してきました。仕事を人生のno.1プライオリティにしてきました。しかし、2022年に38歳になり、40歳までに、一度、『いつか…の夢』を棚卸しをし、大切な価値順位を再構築したいな、と強く感じるようになりました。

(6) 棚卸しをすれば、万が一、明日・来月・来年に急に天寿をまっとうしても多分特に大きな後悔はないなと思います。世界一周航空券の夢も、いまサンフランシスコ、ニューヨーク、ロンドンとまわり、夢が叶いました。いつか、は計画を丁寧にいざ前に進めると、あっさり現実になりました。例えば、エコノミー世界一周航空券なら月1万円貯金すれば3年、プレミアムエコノミーなら月2万円節約すれば3年、ビジネス世界一周航空券なら月3万円我慢したら3年。

いつか…を、今から、に。引き続き、やり残したことを、大切なことを、先に取り掛かりたいです。そして、我慢も忍耐も大切ですが、(架空の話ですし私も皆さまも健康でいたいのですが)いざ余命1か月になったら、できないことも多いことを、頭に入れておきたいです。

世界一周の最終日、考えたことでした。ありがとうございます。そして、I’m here to help your dream happenです。小さなことでもお役に立てることがあれば教えてください。

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(了)

※記事に関しては個人の見解であり、所属する組織・団体の見解でありません。なお、誤植、ご意見やご質問などがございましたらお知らせいただければ幸甚です(メールフォーム)。

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