広報部門を支援する法務必見―フェイクニュースとどう戦うか?[3/3]丨HBR2025年9-10月号の掲載論文

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「勉強時間なんて、忙しすぎて確保できない」と悩む方は多いものです。私は30代前半に他責の姿勢を改め、早朝学習に活路を見いだしました。現在も毎朝4時台に起床し、机に向かっております。この場では、英語版Harvard Business Review(HBR)最新号に掲載された論文をゆっくり読み、講演や執筆で活用できそうなものを備忘録としてまとめています。事業部を支える法務部や組織内弁護士だからこそ、毎週火曜日と金曜日にご一緒に専門外の最新知見に触れてまいりましょう。なお、これは私的な備忘録であるため、内容に誤りが含まれる可能性がございます。原文をお手元でご確認の上、ご検討いただければ幸いです。

(*)英語力が乏しいためノロノロとテクノロジーの力を借りて整理しています。学びがある雑誌で、私もファンの1人です。よろしければ、HBR定期購読(定期購読サイト)をご検討ください。

フェイクニュースとどう戦うか?丨一緒に学ぶ論文はこちら

Michael Etter, Patrick Haack, Simone Mariconda and Marta Pizzetti (2025). How to Counter Fake News: The traditional playbook is insufficient, Harvard Business Review, 103(4), 114-123.

フェイクニュースとどう戦うか?丨全体像丨わかりやすくまとめてみる

<わかりやすくまとめてみる>
本論文をどのように例えるか、考えていたところ、社内で流された『悪質な根も葉もない噂』への対応という例えばぴったりかもしれません。

📢 本人が必死に否定しても逆効果(ストライサンド効果) 「あいつ、不正をしてるらしいよ」という噂に対し、本人が「絶対にやってない!」と大声で叫んで回ると、かえって「必死すぎて怪しい」「何か隠しているのでは?」と周囲に思われ、噂がさらに広がってしまいます。これが従来の「事実による訂正」の限界です。

💉 日頃から「仕事の裏側」を見せておく(プレバンキング) 普段から自分の仕事のプロセスやデータを同僚や上司にオープンにし(透明性)、「あの人は常に公明正大だ」という信頼貯金を積んでおくことが重要です。これが「ワクチン」のように機能し、いざ変な噂が流れても、周囲がそもそも信じない土壌を作ります。

🤝 「信頼できる第三者」に否定してもらう(社会的証明) 噂が広まってしまったら、自分で否定するのではなく、社内で人望のある部長や、事情通の同僚(同盟者)に、「あの噂、完全にデタラメだったよ」「証拠も見てきたけど潔白だった」と語ってもらいます。周囲は「本人の弁明」よりも「みんなが信頼する第三者の言葉」を信じるため、これが最も効果的な鎮火方法となります。

全3回の論文の内容を、ここにいる法務部門の我々みんなで、順番に抑えていきましょう。

フェイクニュースとどう戦うか?丨個別丨本日のポイント

危機を好機に変える「同盟国」の動員とナラティブの奪還

本論文は、タコベルの「訴えてくれてありがとう」キャンペーンと同盟者の活性化を事例として解析する。

  • 透明性という土台の上で、危機発生時には「同盟者の活性化(Activate allies)」を行い、正確で支持的なナラティブで情報空間を埋め尽くす必要がある
  • 企業単独の反論よりも、専門家、業界の同盟者、そして熱心な顧客といった第三者の声(社会的証明)の方が遥かに説得力を持つからである。
  • 2011年、タコベルは「タコスの牛肉含有量は35%に過ぎない」という虚偽の集団訴訟を起こされた際USDA(米国農務省)による第三者検証を活用しつつ、「訴えてくれてありがとう(Thank You for Suing Us)」という大胆な新聞広告で反撃した
  • さらに当時のCEOがYouTubeで説明し、従業員やフランチャイズオーナーが地元メディアで証言し、SNSでは満足した顧客が自発的に肯定的な体験を共有したことで、ネガティブな感情は急速に沈静化し、訴訟は取り下げられた。
  • このように、事実(ファクト)の提示に加えて、顧客や従業員、権威ある第三者を動員し、「誰もその嘘を信じていない」という社会的空気を醸成することこそが、企業の評判を守るための最強の防衛策となるのである。

フェイクニュースとどう戦うか?丨30秒考えてみよう。

  • 📝 皆さんはどう思われますか?
  • 🏢 組織内弁護士・法務部として「企業内」で活用できる場面はありそうでしょうか?
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(了)

※記事に関しては個人の見解であり、所属する組織・団体の見解でありません。なお、誤植、ご意見やご質問などがございましたらお知らせいただければ幸甚です(メールフォーム)。