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フェイクニュースとどう戦うか?丨一緒に学ぶ論文はこちら
Michael Etter, Patrick Haack, Simone Mariconda and Marta Pizzetti (2025). How to Counter Fake News: The traditional playbook is insufficient, Harvard Business Review, 103(4), 114-123.
フェイクニュースとどう戦うか?丨全体像丨わかりやすくまとめてみる
<わかりやすくまとめてみる>
本論文をどのように例えるか、考えていたところ、社内で流された『悪質な根も葉もない噂』への対応という例えばぴったりかもしれません。
📢 本人が必死に否定しても逆効果(ストライサンド効果) 「あいつ、不正をしてるらしいよ」という噂に対し、本人が「絶対にやってない!」と大声で叫んで回ると、かえって「必死すぎて怪しい」「何か隠しているのでは?」と周囲に思われ、噂がさらに広がってしまいます。これが従来の「事実による訂正」の限界です。
💉 日頃から「仕事の裏側」を見せておく(プレバンキング) 普段から自分の仕事のプロセスやデータを同僚や上司にオープンにし(透明性)、「あの人は常に公明正大だ」という信頼貯金を積んでおくことが重要です。これが「ワクチン」のように機能し、いざ変な噂が流れても、周囲がそもそも信じない土壌を作ります。
🤝 「信頼できる第三者」に否定してもらう(社会的証明) 噂が広まってしまったら、自分で否定するのではなく、社内で人望のある部長や、事情通の同僚(同盟者)に、「あの噂、完全にデタラメだったよ」「証拠も見てきたけど潔白だった」と語ってもらいます。周囲は「本人の弁明」よりも「みんなが信頼する第三者の言葉」を信じるため、これが最も効果的な鎮火方法となります。
全3回の論文の内容を、ここにいる法務部門の我々みんなで、順番に抑えていきましょう。
フェイクニュースとどう戦うか?丨個別丨本日のポイント
なぜ「正しい情報」による訂正は失敗するのか? 心理学的メカニズムとストライサンド効果
本論文は、70%の高いフェイクニュースの拡散力と「他者の目」が支配する真実を論じる。
製薬大手イーライリリーになりすました偽アカウントが「インシュリンを無料にする」と投稿した際、株価は4%下落し、投資家を動揺させた。また、ファイザーのCEOが「人口を50%削減する」と発言したとする編集動画も拡散された。これら「フェイクニュース」は、誤報(Misinformation)とは異なり、騙す意図を持って作成され、MITの研究によれば真実のニュースより70%も共有されやすい特性を持つ。企業が公式サイトで事実を提示して訂正する従来の手法は、かえって注目を集めて拡散を助長する「ストライサンド効果」を招くため、不十分である。
著者らの実験とイプソスの調査(29カ国対象)は、人々が「自分は騙されないが、他人は騙されるだろう」と考える傾向(第三者効果)を明らかにした。重要なのは、たとえそのニュースが嘘だと知っていても、人々は「社会の多数派がそれを信じている」と認識すれば、その認識に合わせて行動や評価を変えてしまうという「社会的証明」の心理である。したがって、単に嘘を暴くだけでは不十分であり、企業は人々が抱く「他者の反応に対する認識」そのものに対処する必要がある。
フェイクニュースとどう戦うか?丨30秒考えてみよう。
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「勉強時間なんて、忙しすぎて確保できない」と悩む方は多いものです。私は30代前半に他責の姿勢を改め、早朝学習に活路を見いだしました。現在も毎朝4時台に起床し、机に向かっております。この場では、英語版Harvard Business Review(HBR)最新号に掲載された論文をゆっくり読み、講演や執筆で活用できそうなものを備忘録としてまとめています。事業部を支える法務部や組織内弁護士だからこそ、毎週火曜日と金曜日にご一緒に専門外の最新知見に触れてまいりましょう。なお、これは私的な備忘録であるため、内容に誤りが含まれる可能性がございます。原文をお手元でご確認の上、ご検討いただければ幸いです。
(*)英語力が乏しいためノロノロとテクノロジーの力を借りて整理しています。学びがある雑誌で、私もファンの1人です。よろしければ、HBR定期購読(定期購読サイト)をご検討ください。