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【日曜朝連載】法的文書、並列で整理整頓丨名著精読!『Legal Writing in Plain English』第35回

問題の所在+ソリューション[各連載回に共通]

Problem Statement (問題の所在)「将来は、グローバルな力も高めたい…でも、英文契約書は怖い」「法律英語が上達しない」「欧米弁護士の思考で英語の法律文書が書けない」― 法律英語のライティングの悩みは日本の法律家に共通します。私も、です。

ソリューション 2022年、Airbnb法務部の研修で、魔法のような体験がありました。名著『Legal Writing in Plain Englishガーナー教授から直接学ぶ機会があったのです。「できなかった」理由がすっと理解できました。そこで、毎週1記事、名著を「分析」し、一緒に(同期やライバル達よりも)法律英語に少しだけ強くなっていきませんか? ― 精読して蓄えていきましょう。

想定する読者 法律家・法務部門・司法修習生/ロースクール学生の皆様

読了により、得られる情報

ガーナー教授の教科書は、私たちに「すべての法律文書に共通する」20のルール(連載第1回〜第21回参照)と、「あなたの英語を、分析的・説得的に働かせる技術」(連載第22回〜第31回参照)の10のルールを教えてくれます。

いよいよ、第3章「法的ドラフティングの原則(PRINCIPLES MAINLY FOR LEGAL DRAFTING)」に入りました。この章を一緒に読んでいくことで、読者の皆さまはリーガルライティング(英文契約書のドラフトを含む)の基本原則や実務に役立つ技術を学ぶことができます。ガーナー教授の教科書を精読することで、法律英語の力をさらに一段階高め、より高度なレベルに引き上げていきましょう。

§34. Break down enumerations into parallel provisions. Put every list of subparts at the end of the sentence – never at the beginning or in the middle.

講義ノート

ガーナー教授は、法的文書(legal documents)において、条文や契約書における箇条書きを文末に配置し、並列の形式に分解するテクニックを説明しています。項目を分け、主要な動詞を文の前に置くことで、構造が明確になり読みやすくなります。教科書の実例やエクササイズをぜひご覧いただきたいのですが、一例として、「合併契約に基づく解約手数料の支払い」について、以下のように書くと理解しやすくなります。

改善前の例:
「A社は、Xした場合、またはYした場合…には、終了手数料を支払う義務があります。」

改善後の例:
「A社は、以下のいずれかの場合に解約手数料を支払う義務があります:
(a) Xした場合、
(b) Yした場合、
(c) Zされなかった場合。」

リストを文末に配置することで、内容が簡潔になり、読者が各条件を一目で理解しやすくなります。

ガーナー教授の教科書(第3版)―敬意をもって強く推薦―

Garner, B. A. (2023). Legal Writing in Plain English, Third Edition: A Text with Exercises. Chicago: University of Chicago Press.

現在・将来、英文の法律文書を扱う法律家・法務部員の方は必携です(Amazonを見る

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ご相談・講演のご依頼などはこちらからご連絡を賜れますと幸いです。


(了)

※記事に関しては個人の見解であり、所属する組織・団体の見解でありません。なお、誤植、ご意見やご質問などがございましたらお知らせいただければ幸甚です(メールフォーム)。

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