コンサイス(concise)すなわち「簡潔」であることは、多くの日本人がグローバルレベルの英語(ビジネス英語の上のネイティブ英語)で苦戦するテーマの1つ。私の英語についても、長年の課題で今も努力しています。
初学者の頃は「英語が長く書けない」ことが悩みであり、勉強するにつれて「自分の考えを英語に転換して記述できる」ことが可能になります。しかし、それは情報を「羅列」しているだけなのです。
「簡潔」さは英語ネイティブではない私たち多くの日本人にとって、最もガーナー教授から学ぶべきポイントで、私が特にお気に入りで熟読している1章です。一緒に高みを目指していきましょう🤝
問題の所在+ソリューション[各連載回に共通]
読了により、得られる情報
ガーナー教授の教科書は、まず「すべての法律文書に共通する」合計20のルールを提供してくれます(連載第1回〜第21回参照)。
第2部では、ガーナー教授が「あなたの英語を、分析的・説得的に働かせる技術」を厳しく鍛えます。私は外資系企業で合計12年以上勤務しており、「英語で読み書きできる」だけでなく、「分析的・説得的に働いてくれる英語の技術」が求められていることを痛感しています。
あなたの英語は、誤解があれば恐縮ですが、単に日本語を英訳しただけの「情報伝達の機械的なソースコード」になっていませんか?(私はこのフィードバックをもらったときは悩みましたが、前進を決意しました。)
情報は文字として伝達(トランスミット)されるだけでは不十分で、相手に影響を与え、こちらが期待する行動変容や回答を引き出すために「分析的・説得的に働く」必要があります。第2部では、英語の「羅列」から「伝わる英語」への進化を一緒に勉強していきましょう!私もまだまだ未熟ですが、精読を通じて皆様と一緒に成長したいと考えています。
要点
ガーナー教授は、「分析的および説得的な英語ライティング技術」(analytical and persuasive writing)に必要な「超凝縮」する力を鋭く指摘します。
「分析的および説得的な英語ライティング技術」(analytical and persuasive writing)としての「要約」には、特に「深層問題」(deep-issue)を意識して、以下の点に注意するとよい。
ガーナー教授によれば、とりわけ「75語ルール」は重要であり、これを超えると読者が「理解する意欲」(willing to exert themselves)が低下するとされる。深層問題の技法は、いかなる種類の問題にも適用可能であり、明確で迅速かつ強力な文章を作成するための最善の方法であると記されている。
ここでは説明しきれなかった部分も多く、ぜひ原著をご購入の上、ご研究ください。
ガーナー教授の教科書(第3版)―敬意をもって強く推薦―
Bryan A. Garner (2023). Legal Writing in Plain English, Third Edition: A Text with Exercises. Chicago: University of Chicago Press.
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<後日更新いたします>
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ご相談・講演のご依頼などはこちらからご連絡を賜れますと幸いです。
(了)
※記事に関しては個人の見解であり、所属する組織・団体の見解でありません。なお、誤植、ご意見やご質問などがございましたらお知らせいただければ幸甚です(メールフォーム)。
Problem Statement (問題の所在)「英文契約書は好きでない」「法律英語が上達しないのはなぜ」「欧米弁護士の思考で英語の法律文書が書けない」― 法律英語のライティングの悩みは日本の法律家に共通します。私も、です。
ソリューション 2022年、Airbnb法務部の研修で、魔法のような体験がありました。名著『Legal Writing in Plain English』のガーナー教授から直接学ぶ機会があったのです。「できなかった」理由がすっと理解できました。そこで、毎週1記事、名著を「分析」し、一緒に(同期やライバル達よりも)法律英語に少しだけ強くなっていきませんか? ― 精読して蓄えていきましょう。
想定する読者 法律家・法務部門・司法修習生/ロースクール学生の皆様