主人公かおりの出向について考察する
前回の記事では、主人公堤かおりさんが出向した「株式会社デンエイ」の裏話をお話してきました。
次に、「リーガルリスクマネジメントの教科書」の舞台は、法律事務所ではなく、出向した企業の法務部なのです。
なぜ、四大法律事務所H&A(菱村あさま法律事務所)パートナーは、留学を希望していた堤さんを、1年間出向させたのでしょうか?
出向の制作秘話
はい、今となっては良い経験になりましたので言えますが、当初は、原作者の渡部さんを恨みました。
実は、菱村あさひ同期入所の熊埜御堂(くまのみどう)先生がご出向の予定だったのですが…。ほら、(元)久佐間先生のチームでM&Aばりばりやっていた、彼です。
え!熊埜御堂くんって言えば、めちゃくちゃやる気があって、企業の法務部門を経験したいと話していたし、それなら、熊埜御堂くんで良かったじゃないですか。どういうことですか?
実は、シナリオを担当された星井先生と相談した際に、こう言われたんです。『やる気がある子を出向させても読者は共感しない』って。
なので、(堤さんのパートナー[上司である])の名嘉山先生[ちなみに作中では名前は表示されていない]とデンエイ法務部長野田先生の私の3人が相談して、堤先生になったんです。
原作者とはいえ、ちょっと相談なしに酷くないですか?次回作があれば、きちんと事前に相談してください!(怒)
マンガはシナリオのプロを仲間に!
そんなこんなで、堤先生には叱られてしまいましたが、こういう何気ないストーリーにも様々な選択肢があり、シナリオで引き込むための工夫があるというお話でした。
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(了)
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改めて、出向お疲れ様でございます。堤先生は、留学を希望されていたのに、デンエイ出向となりかなりご立腹でしたよね。ここは安全な空間(Safe Space)なので当時の心境をおうかがいしたく。